特別な日

2017年4月6日
特別な日になりました。
僕には学生時代から今まで、何度となく読み返した大切な本があります。
「調理場という戦場」 斉須政雄
大きな夢に向かい戦う日々を共にしてくれた一冊であり、
今も変わらずあの頃の気持ちに向かわせてくれる一冊です。
念願叶って、著者の営むレストランへ食事に行ってきました。
普段行き慣れない空間ではありましたが、穏やかな接客と共に過ぎる心地よい時間。
満足の食事を終え、お会計の際に今回訪店の経過を伝えると、「会って行ってください。」と斉須さんをご紹介くださいました。
そうして斉須さんは、「見て行ってください。」と厨房に案内してくださり、色々とお話ししてくださいました。
憧れの人に会いに来たというわけではなく、愛する人との大切な日に、ちょっと特別な場所で食事をしようという気持ちで出向いたのでしたが、思わぬ展開とびっくりするくらい本のままのお人柄、調理場の状況にとても身が引き締まる体験でした。
大切なことを大切にしながら、誠実に、自分自身と戦いながら生きてきた人。
慈しみを忘れず、優しさを間違わない人。
4月6日という日に、ここに来れて、この人に会えて良かった。
この人と来れて良かった。
心底そう思いました。

愛する人と出会ってちょうど一年。
僕たちは家族になりました。
僕は織りをする人、彼女は靴をつくる人。
ものづくりをする同士だからか、誕生日が一緒だからか、価値観が驚くほど近いことに嬉しさを感じながら積み重ねた時間。
これからも、たくさんの経験を共にするのだと思います。
出会うべく人に出会えること。
そう、感じることができること。
感情、感覚という形のないものを信じさせてくれること。
ずっと変わらずに続けていきたい。

4月6日は結婚記念日。
特別な日。
来年もまた行きたいな。