工房オープンに向けて-動機②-

昨年のGW
初めてのオーダー会を設けました。
人と共に創りたい。
もっともっと、人と関わっていきたい。
想いが無くては始まりませんが、求めてくださる方がいなくては進めません。
恐る恐る、不安と肩を組んで形にした場でしたが、おかげさまで今もこうして織ることを続けられています。
織りを始めた頃は、ただただ織ることが楽しくって、一本の糸が重なり合うことで見えてくる世界に心踊らせていました。
平面から立体へ、と、衝動に任せて手を動かしました。
感性や表現という言葉の元に、僕は自分を振り回していたように思います。
今でもあの時の気持ちは忘れていませんし、時に愛おしくなります。
でも、忘れていなくっても、あの時みたいにはもう織れません。
どうあっても、織れない。
でも、今だからこそ織れるものがあると感じています。
それこそ、気持ちよく、心地よく。
頼まれていなくたって、誰かのために織りたくなる時があります。

工房を始めるということは、この気持ちと同じなのかもしれない、と思いました。
誰かに頼まれた訳ではありません。
でも、きっと、織りたい、と想っている人がこの街にもいるはずです。
自分の手で織る、という行為で満たされる何かをもっている人がいるはずです。
あの時、吉祥寺の街で出会った織物によって、僕の日々が輝きを増したように。
僕はもっともっと、誰かの為にできることがある。
そんな日々を重ねたい。

画像
-実感と共にあるモノづくりを-